収益用不動産、今は買い?それとも止めた方が良い?
最近運動不足で、ジャケットのボタンを閉めるのがキツくなってきた、頭文字
Kです。
不動産投資の考え方を改める時代が来たと言えます。
本来、不動産投資とは「お金持ち」の投資手法であり、一般の人たちが行う
手法ではありませんでした。
ただ時代の流れにより、ワンルーム投資と言った小口の投資用不動産も出て
くるようになりました。
またリーマンショック前夜までは、国内都市銀行が資産の無い「一般」の人
達にもアパマンローンを使ってフルローンを行う時代が到来し、不動産投資
ブームが来ました。
この頃の不動産投資は、平成初期までの不動産バブルとは容態が異なり、性
格が変わってくるようになりました。
この時代に都市銀行からフルローンを受けて購入出来た人達は本当にラッキ
ーであったと思います。
年収300万円台の大工さんが、某都市銀行から6000万円フルローンで
木造新築アパートを買えた時代です。
ただこのようなチャンスはもう来る事は無いでしょう。
何故ならば、その後にリーマンショックが起こり、各金融機関のこれまでに
行なっていた融資スタイルが180度転換したからです。
痛い目に遭った金融機関は、これまでの審査方法を大きく変更せざるを得な
くなり、一気に投資用不動産の市況は冷え込んで行きました。
※当時倒産したデベロッパーも多くあったと聞いています。
なので、私はこの時期に投資用不動産を購入出来た人たちは、今でいう仮想
通過バブルで成功をした人たちと同じような感覚で見ています。
さらに補足をしますと、なぜ今後このようなチャンスは来なくなるか?を予
測しますと、この10年間で、
①建築資材の高騰
②上記による不動産価格の底上げ
②金融機関の評価が厳しくなる
③書類改ざんスキームが使えない
10年前であれば、川崎や横浜で新築木造アパートの利回りが10%いう物
件がザラにありました。
それも結構コンサバな賃料での利回り計算なので、現在のマーケットの平均
から見ますと、利回りで2%〜3%程度の差があったかと思います。
ではオリンピックが終わり、不動産価格が下がって昔の水準近くまで戻るの
では?と言っている方々もおります。
結果は明確な先の事は言えませんが、消費税増税の影響、建築単価が今後昔
の水準に戻る可能性はハッキリ言って低い事、金融機関の融資のスタンスが
10年前に戻る事はあり得ない事から、物件を購入出来る準備が出来ている
方は、今のタイミングで購入した方が良いと思われます。
例えば次の条件の物件で仮定をします。
(今現在)
・物件価格1億円
・収入600万円
・利回り6%
・融資金利2%
・融資期間30年
・年間CF156.4万円
(5年後)
・物件価格1億円
・収入800万円
・利回り8%
・融資金利2.3%
・融資期間30年
・年間CF338万円
分かりやすくする為に、租税公課や経費率は考慮しないで計算をします。
この場合、CF差は約181万円。
単純比較した場合、一瞬、5年待った方が良いのでは?と、思われる方が多
いかと思います。
そうですよね?単純比較では5年後に購入した方が良いですよね?
但し内容を精査してくと、
①5年間で稼いだ家賃(及びCF)は考慮してますか?
②5年間の賃貸経営の対金融機関への実績は考慮してますか?
③5年後に物件が安くなっていなかったら、そもそもの5年間が無駄になりませんか?
④5年間、他人資本で借入金を返済してる効果は考慮しましたか?
⑤そもそも5年後の融資を受ける際に、年齢的な融資の受けづらさを考慮しましたか?
⑥実績が高くなれば、金利の融通が効いてくる。
と、いう事です。
昨今の不動産金融市場では、様々な事件の影響から、金融庁の強い指導のも
と、ファーストの方に対する融資のハードルが非常に高くなってきています。
当社でお付き合いのある金融機関の各担当者からも、これからは属性を2ス
テップほど上げて頂かないと、取り組みが難しいと言われるようになりまし
た。
ただ面白い事に、既に融資実績があって、問題なく賃貸経営をしているお客
様につきましては、今後も「普通に持ってきてください」と言われるのです。
実績って時間がかかるので、こればっかりは難しいですね。
なので「オリンピックが終わって不動産は安くなってから買う!」という方
は、それはそれでOKなのですが、その時にああたが「買える属性の人」にな
れているか?なる可能性があるか、しっかり考えてみてください。
情勢は過去と比較しても始まりません。
今出来る事、今使えるルールを利用して、今だから出来る事をやる事が、5
年後、ひいては10年後が大きく変わってくるのではないでしょうか。
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